夢の風車

　 明治４年(1871)８月９日、明治政府は洋風の散髪（ザンギリ頭）を命ずる「断髪令」を発しました。
　 これは、欧米諸国が日本の風俗を問題にして外交問題の解決になかなか応じてくれないことから、岩倉具視の意見を取り入れたものでした。

　 しかし、長い間の風俗習慣は一朝一夕に改まるものではなく、各地でトラブルが生じたと伝えられています。

　 一般の人たちが、ザンギリ頭になったのは、明治６年(1873)３月１日、明治天皇が散髪をされてから後のことと言われています。

●　 別るるや夢一筋の天の川　　　漱石
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　 七月も半ばを過ぎると、いろんな蝉がいっせいに鳴き始めます。　ジイ、ジイ
と鳴く油蝉。ミーン、ミーンと鳴くミンミン蝉。シャー、シャーと鳴く熊蝉など

あたかも時雨が降るようなので、蝉時雨といいます。

●　閑かさや岩にしみ入る蝉の声　　芭蕉
●　身に貯へん全山の蝉の声　　　　三鬼　

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　 昭和２４年（1949）７月５日の早暁、常磐線と東武線が交差する附近の線路上で、下山
定則国鉄総裁の惨死体が発見されました。
　 下山総裁は、前日登庁の途中日本橋の「三越」に入ったまま、行方不明になっていました。

　 自殺か他殺かをめぐって、警視庁の内部でも見解が分かれましたが、決め手がなく１５年経った昭和３９年、不可解なまま時効となりました。

●　 厚板の錦の黴やつまはじき　　　虚子
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　 花菖蒲は、初夏の頃から水辺あるいは泥湿に、アヤメやカキツバタに似た美しい花を開きます。高さは６０～９０センチ、茎は緑色で円柱形をしています。

六月中旬が最盛期で、濃紫、淡紫､白など色とりどりの魅惑的な花が咲きます。

●　きる手元ふるひ見えけり花菖蒲　　其角
●　昼ながら天の闇なり菖蒲園　　　　 誓子

　 鈴蘭は、別名ミカゲソウと言い、ユリ科の多年草です。茎の高さは３０センチ内外で、葉は藍に似て大きく、五月末頃、葉の間から花軸をのばします。　
　 鈴蘭は、すこぶる匂いのよい白い小花をふさ状につけますがその形が鈴に似ているところからこの名があります。花言葉は「幸福の復帰」です。

●　すゞらんや葉陰に咲いて隠れがち　　鬼城
●　鈴蘭に山住みの日々脂粉なし　　　　紅於子

　 明治の頃の出版物を見ると、外国の地名や人名に漢字を使っていますが、中には解読しがたいものもあります。

　 亜米利加（アメリカ）、墺太利（オーストリア）、白耳義（ベルギー）、西班牙（スペイン）、加那太（カナダ）、葡萄牙（ポルトガル）、瑞西（スイス）、などはだいたい読めます。

　 少し難しいものとしては、亜爾然丁（アルゼンチン）、洪牙利（ハンガリー）、伯剌西爾（ブラジル）、丁抹（デンマーク）、諾威（ノルウエー）などがあります。

●　　竹の子や幼き時の絵のすさび　　芭蕉

　 ソラマメは、豆ざやが空に向かって直立するところから、その名が生まれまし
た。さやをむき、塩ゆでにしたものは酒のつまみとして逸品です。

　 ソラマメの原産地は、カスピ海の南方及び北部アラビアです。日本へは中国を経て約三百年前に伝来したと言われています。


●　そら豆をむき置き明日の用減りぬ　　富美子